よだれかぶれとは? 症状や要因は?
よだれかぶれとは、赤ちゃんの特に乳児期によくみられる「接触性皮膚炎(せっしょくせいひふえん)」の一種です。
よだれかぶれは、よだれが触れる口の周りの皮膚が赤くなること、そしてかゆみを伴うことが特徴です。症状が悪化すると、小さなブツブツや水疱(すいほう)ができたり、皮膚がむけてただれたりすることもあります。
よだれかぶれの主な症状
かぶれの原因物質(よだれ)に触れた部分に限定して症状が出るのが特徴で、特に口の周りや頬(ほほ)によく見られます。赤ちゃんが指しゃぶりをしている場合は指先や、よだれが付着しやすい首にも症状が広がる可能性があります。赤ちゃんがかゆみを我慢できずに掻(か)きむしってしまうと、皮膚がさらに傷つき、炎症が悪化して、とびひなどの二次感染につながる可能性もあるため注意が必要です。
▶ よだれかぶれの典型的な初期症状
- 口周りに軽度の赤みや小さな湿疹が見られる
▶ よだれかぶれが悪化した状態
- 口周りがただれたり、ブツブツや水疱ができている
よだれかぶれの主な要因
よだれに含まれるたんぱく質を分解する消化酵素(しょうかこうそ)「アミラーゼ」が肌に触れることで炎症が起き、かぶれている状態です。
よだれかぶれは、いくつかの要因が重なることで発生しやすくなります。
主な要因としては、まず赤ちゃんのよだれの量が多い時期が挙げられます。歯の生え始めや離乳食開始時期など、生理的によだれの分泌量が増える時期は特に注意が必要です。
次に、赤ちゃんの口周りの筋肉がまだ十分に発達していないため、よだれをうまく飲み込んだり、口を閉じたりすることが難しく、よだれが口から垂れやすくなることも大きな要因です。
また、指しゃぶりやおしゃぶりによって、よだれが口周りだけでなく、指や手、さらに広範囲に触れる機会が増え、かぶれの原因となります。離乳食の食べこぼしが口周りに付着し、よだれと混ざり合うことで、肌への刺激がさらに増し、炎症を引き起こしやすくなることもあります。
よだれかぶれの予防と効果的なスキンケア
よだれかぶれを予防し、既に現れた症状を和らげるためには、「保護」「清潔」「保湿」の3つを日常的に、そしてこまめに行うことが非常に重要です。
この3つのケアを継続的に実践することで、多くのよだれかぶれは予防でき、症状の悪化を防ぐことができます。
① 保護
離乳食を食べる前や、よだれの量が多くなるタイミング(歯の生え始めなど)で、赤ちゃんの口の周りにワセリンを薄く塗っておくことを特におすすめします。ワセリンは肌の上に保護膜を作り、よだれや食べかすが直接デリケートな肌に触れるのを防ぎ、刺激から肌を守るバリアとなります。
ワセリンは米粒大(こめつぶだい)の少量でも広範囲に伸びるため、手のひらや指の腹(はら)に少量取り、薄く伸ばしてから、患部(かんぶ)を優しく押さえるように塗ると、ベタつきを抑えつつ効果的に保護できます。
② 清潔
よだれが垂れたら、長時間肌に付着したままにせず、すぐに優しく拭き取ることが大切です。赤ちゃんの肌は非常にデリケートなため、ゴシゴシと強くこすると肌を傷つけ、かえって炎症を悪化させる可能性がありますので、絶対に避けてください。
水で濡らしたコットンやガーゼを使い、優しく押さえるように拭き取ります。一見柔らかそうに見えるティッシュも、一般的にごわつきがあるため、赤ちゃんのデリケートな肌には不向きです。コットンやガーゼを濡らす際は、30度未満の「ぬるま湯」または「水」を使用します。30度以上のお湯だと、肌の皮脂(ひし)が溶けてしまい、肌のバリア機能が低下する恐れがあるため注意が必要です。拭いた後は、濡れていない清潔なガーゼなどで、残った水分を吸い取るように優しく押さえてください。
③ 保湿
よだれを拭き取った後や入浴後など、肌が乾燥しやすいタイミングで、必ず保湿ケアを行いましょう。
保湿剤を選ぶ際は、肌に刺激が少ない低刺激性のものを選びましょう。
塗り方も拭き取りと同様に、肌に刺激を与えないよう、優しく、なでるように塗ることが大切です。
赤ちゃんの保湿について詳しく知りたい方は以下のブログをご覧ください。
【医師監修】保湿ケアで赤ちゃんの肌を守る!正しい赤ちゃんの保湿ケア
よだれかぶれと食物アレルギーの見分け方
赤ちゃんの口周りの赤みやブツブツは、よだれかぶれだけでなく、食物アレルギーの症状である可能性もあります。この2つの症状は似ていることがあり、親御さんが正確に判断することは難しい場合があります。
適切なケアや医療機関受診のタイミングを逃さないためにも、それぞれの特徴を理解しておくことが非常に重要です。
よだれかぶれの症状の特徴
冒頭で申し上げた通り、よだれが触れた口の周りや頬、指など、接触した部分に限定して症状が出るため、全身に広がることは稀です。よだれを拭き取ったり、適切なケアを継続することで症状が改善する傾向にあり、すぐに症状が繰り返されることは少ないです。
食物アレルギーの症状の特徴
食物アレルギーは、特定の食べ物に対する体の免疫(めんえき)システムが過剰(かじょう)に反応することで引き起こされるアレルギー反応です。症状が出るのが非常に早く、食事の最中から食後30分以内に出現することが多いのが特徴です。
口周りの赤みやブツブツだけでなく、全身にじんましんや発疹が広がることもあります。口周りの赤み以外に、嘔吐、下痢、咳が止まらない、ぐったりするなどの全身症状が見られる場合は、アナフィラキシーショックの可能性もあり、緊急性が高いため、速やかに医療機関を受診する必要があります。
また、同じ食べ物を食べるたびに毎回赤みや症状が出る場合も、食物アレルギーの可能性が高いサインです。
まとめ
赤ちゃんのよだれかぶれは、多くの赤ちゃんが経験するごく一般的な皮膚トラブルであり、適切なケアで改善することが多いものです。本記事で紹介した「保護」「清潔」「保湿」の3つを基本とした日頃のこまめなケアを欠かさないようにし、よだれかぶれの予防と症状改善を目指しましょう。
また、よだれかぶれと食物アレルギーは症状が似ている場合があるため、本記事で紹介した症状の違いを参考に、注意深く赤ちゃんの様子を観察することも重要です。口周り以外の全身症状や、特定の食べ物を食べた後の急速な症状出現など、食物アレルギーが強く疑われる兆候が見られた場合は、迷わず速やかに医療機関への相談を検討してください。
赤ちゃんのデリケートな肌を守り、健やかな成長をサポートするために、日々のケアを丁寧に行っていきましょう。